相続税の基礎控除額の変遷

もしかして私の相続税、とても高いんじゃ?

相続税の基礎控除額の変遷

相続税は、いつから日本にあるのでしょうか。
実は日露戦争での膨大な戦費を調達するために図られた各種増税のうちの1つとして誕生しました。
地租や所得税などの増税とともに1905年に相続税も創設されましたが、相続税については一時的なものとは規定されず、その後も恒久的に徴税されることになりました。

しかし相続税が創設された時代は、家督を継ぐということが重要視されていたので、最低税率は1.2%と大変低いものでした(現在の最低税率は10%)。
それでも税率が高いとの非難を受け、たびたび減税されています。
家を継ぐ、すなわち「お家の存続」が大切で、それに伴って相続税を支払うという考え方は世相になかなかなじまなかったのでしょう。
しかし、相続税はその後も第二次世界大戦の戦費調達などに重要な役割を果たしていくことになります。

今とは金銭の価値が随分違うのですが、基礎控除額は戦後、高度経済成長期の日本でどんどん引き上げられていきます。
昭和25年には15万円、3年後の昭和28年には財産取得者ごとに50万円、さらに5年後の昭和33年には150万円+(30万円×法定相続人数)となります。
基礎控除額が最も高額になったのは平成6年の改正で、5,000万円+(1,000万円×法定相続人数)でした。
ただ、当時の相続税の最高税率は70%と非常に高いものでした。

昭和25年には配偶者控除も新設されました。
昭和22年までは配偶者は相続人とはみなされていなかったのですから、戦後、家、そして女性に対する考え方が大きく変化したことがわかります。
その後は配偶者は基礎控除額か配偶者控除額のどちらか大きい額を選んで控除を受けることができるようになりました。
現在配偶者控除は1億6,000万円となっています。

しかし、基礎控除額は、平成27年に相続税の最高税率が55%になるとともに、3,000万円+(600万円×法定相続人数)へと大幅に引き下げられ、それまではあまり相続税まで考慮する必要はなかった一般家庭でも、場合によっては相続税を納めなければならない可能性も出てきたのです。